史跡・遺跡・廃墟

赤平観光センター プリンス平安跡 [北海道赤平市]

赤平観光センター プリンス平安 史跡・遺跡・廃墟

まさに廃墟アートの観光ホテル跡

赤平観光センター プリンス平安 廃墟アート
廃墟アートと呼ぶにふさわしい プリンス平安のホールの豪華なシャンデリア

北海道赤平市に残る『赤平観光センター プリンス平安』は主に冠婚葬祭使われていたという総合観光施設で、シャンデリアが下がる大きなホールが特徴的。
宿泊が可能なホテル部分があったが、倒壊しもうほとんどその姿は残されていない。
今はホールだけがかろうじて残っている。

ホールの中心に下がるシャンデリア。
青い天井。
誰かが悪戯で引っ掛けた椅子。
残された遺物。
その全てが偶然に交わり、刹那のアートを作す。

建物の崩壊、残された誰かの痕跡、偶然に誰かが作り出した廃墟後の造形。
プリンス平安跡は廃墟アートを強く感じる空間になっていた。

プリンス平安のホール内[360度画像]

赤平市 炭鉱の歴史と施設の盛衰

プリンス平安(赤平観光センター)の繁栄と衰退は、赤平市の基幹産業であった石炭鉱業の歴史と深く結びついている。赤平市はかつて炭鉱の町として栄えたが、エネルギー革命の進行により炭鉱の合理化が進み、1994年の住友赤平炭鉱の閉山をもって、約100年に及ぶ炭鉱の歴史に幕が下ろされた 。最盛期には多くの人々で賑わったであろうが、炭鉱の衰退に伴う人口減少と経済規模の縮小は、このような大規模施設の経営を困難にした。

施設の正確な閉鎖時期に関する具体的な情報は、不明。しかし、2015年7月の時点で既に著しく荒廃し、床に穴が開いたり建物が歪んだりしている状況が報告されており、「徐々に崩れているのでいつ崩壊するかわからない場所」との記述も見られることから、閉鎖から相当な時間が経過していることは間違いない。炭鉱閉山による地域経済の構造変化が、施設の維持を不可能にし、結果として廃墟化に至ったという経緯は、他の多くの旧産炭地に共通して見られる現象である。このような背景を持つ廃墟は、単なる打ち捨てられた建造物ではなく、地域史の転換点を象徴するモニュメントとしての意味合いを帯びる。

心霊スポットとしても有名『赤平のプリンス平安』

北海道を代表する心霊スポットの一つとしても語られる、プリンス平安。

大阪の寺院である泰聖寺が、プリンス平安を含む「いわくつきの荒廃した場所や、心霊スポットなどで撮影した写真のお焚き上げ供養を行っている」と明記している。これは、プリンス平安は単なる噂話のレベルを超えて、この場所が何らかの負のエネルギーを持つ、あるいはそう認識されるに足る「いわく」があると一般に信じられていることを示している。写真という記録媒体を介して、その場所の「気」が持ち帰られることを懸念し、宗教的な浄化を求める人々が存在するという事実は、プリンス平安が持つ心霊的評価の強度を物語っている。

「営業をしていた当時は宿泊施設としてだけでなく、多くの冠婚葬祭にも利用されておりました。多くの人々のお通夜なども行われ、この場所でいくつもの悲しいお別れもあったことでしょう。」

廃墟、特にかつて多くの人々が集い、活動した場所が放棄され、自然の力や時間の経過によって朽ちていく様は、見る者に強い感情を喚起する。プリンス平安は、結婚式や祝宴といった「慶事」が執り行われた華やかな場所であった 。その過去の賑わいや幸福な記憶の残滓と、現在の荒涼とした崩壊寸前の姿との間には、極めて大きな落差が存在する。この強烈なコントラストは、訪問者や写真を見る者に、一種の喪失感、物悲しさ(いわゆる「もののあはれ」)、そして時には不気味さや不安感を与える。

赤平観光センター プリンス平安の怪奇現象

「プリンス平安には色々な噂話があります。正面の入り口ゲートのアーチの場所で若い女性の首吊りがあり、その頃から夜になると建物内から若い女性の呼ぶ声が聞こえてくるそうです。」

そして、その中でも一番多く聞くのが老婆の霊です

孤独な老婆

昭和の時代。
雪の降り積もった冬。
地元赤平に住んでいた、孤独な一人暮らしをしていた老婆が行方不明になる事件がありました。
有力な手がかりも見つからず、結局その老婆が発見されることはありませんでした。
その老婆が最後に向かった先がプリンス平安ではないかという噂話が流れたのです。

その老婆はかつて、そこで結婚式の披露宴を行っていました。

一人暮らしの寂しい日々の中、人生の終わりを感じ、自分の人生を振り返った時に思い出された景色が、人生最大の幸せを感じたプリンス平安。

人生を共にした最愛の人との幸せな思い出の片鱗に触れたくて、寒い空気の中、わずかな体力しか残らない体でドアを開け外へ出た。

最後にひと目その景色を見たいと足をむけた、そんな寂しい老婆の霊がいまもそこに存在するのではないでしょうか。

ただ、老婆の霊がプリンス平安に辿り着けたのであれば、この物語はハッピーエンドなのかもしれません。

赤平観光センター プリンス平安のホール内

赤平観光センター プリンス平安 ホール内
プリンス平安の荒れ果てたホール
赤平観光センター プリンス平安 ロバ

華やかな過去を持つ施設が廃墟と化したという事実は、それ自体が一種の「物語」であり、その空間に漂う寂寥感や時間の停滞感は、超自然的な存在の気配を感じさせるのに十分な土壌を提供する。

建物内部

プリンス平安のフロント[360度画像]
赤平観光センター プリンス平安跡
赤平観光センター プリンス平安跡
色々な動物の剥製が残る
赤平観光センター プリンス平安 剥製
プリンス平安の歴史と共に朽ち果てた剥製
赤平観光センター プリンス平安 食器類
床に散らばる食器類
赤平観光センター プリンス平安跡
赤平観光センター プリンス平安跡
赤平観光センター プリンス平安跡

赤平観光センター プリンス平安の外観

赤平観光センター プリンス平安 外観
プリンス平安の今もかろうじて残る外観
赤平観光センター プリンス平安 天使
階段脇の天使のオブジェ
赤平観光センター プリンス平安 宿泊棟倒壊
プリンス平安の倒壊した宿泊棟
プリンス平安の倒壊した宿泊棟[360度画像]

入口ゲート

赤平観光センター プリンス平安 入口ゲート
有名なプリンス平安の正面入り口ゲート

倒壊している建物

赤平観光センター プリンス平安の詳細情報

所在地:北海道赤平市幌岡町

赤平観光センター プリンス平安の周辺マップ

プリンス平安

航空写真

プリンス平安
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  1. 10年くらい前に行った時は普通のシャンデリアだったのに…

  2. 自分は1人でここに行ったんですが入った瞬間季節が冬にでもなったのかと言うほど寒くなり変な匂いがして怖くなりオカルトが好きな友達とビデオ通話して喋りながら探索していて1番写真が綺麗に撮れる場所で写真を撮り帰ろうとしながら友達にこの写真になにか写ってないか見るかとふざけながら話した時に左耳だけにうんって女の声が聞こえてきて全力で走って帰りました。勿論、通話相手は男、他に来ている人はいませんでした。他に人がいるならそもそもにビデオ通話なんかしません。これがその時撮った写真です

    • 去年の8月頃夜中行ったんですが、キャンデリラの付近で大きな物音がしました。間違いないなく霊は居ます

      • 私から見て、無数の霊体がいますね。あまり行くところではないし、面白半分で行ったら、ダメですよ。

H.T.Information
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