※からまつの湯 閉鎖の危機 → ついに破壊されました
からまつの湯 閉鎖の経緯
死亡事故が発生しました
2021年11月26日夜。
何らかの理由で湯温が調整されていなかった高温の浴槽に、地元の利用者が誤って滑落する事故がありました。
その方は自らの運転で中標津町の病院に行き受診しました。
全身にやけどを負っており、その後、釧路市内の病院に移送されましたが、五日後に亡くなったようです。
湯温調整に関して
養老牛温泉 からまつの湯の源泉の温度は約80度。
それを沢水と混ぜて温度を下げ浴槽に注ぎ込んでいます。
事故当時、水側のバルブが閉じており、湯船の中は源泉に近い温度だったようです。
冬季は雪が積もり、浴槽の周囲は凍結します。
脱衣場はあるものの、ほぼ屋外です。
服を脱いで、寒さの中で、慌てて浴槽に入ろうとして足を滑らせ、浴槽に落ちたのではないでしょうか?
事故が起きた時刻は夜間となっています。
野湯のため基本的に照明もありません。
自分が最後に入浴した2021年秋頃は、それほど明るくはないものですが、簡易的なソーラーのLEDライトが設置されていました。
夜間利用する方はライトを持参したり、車のヘッドライトで照射して入っていたりしました。
からまつの湯は個人的に何度も利用していますが、湯温の調整方法は分かりません。
いつも適温に保たれていました。
入浴中に地元の方に聞いた話では中央部分に設置されているバルブ等で調整できるようです。
ただ、このことに関してはあまり知られていないと思われます。
個人的に、この事件を知るまで源泉の温度が80度もあるということも知りませんでした。
無料無人ですが、管理が行き届いていた野湯でした
養老牛温泉 からまつの湯は地元の利用者が多いと思います。
銭湯がわりに利用されています。
そのため、洗い場が設置され、いつも綺麗に整っていて、お湯も綺麗です。
北海道内の管理者のいない野湯を多数訪れていますが、これほど整っている場所は少ないと思います。
浴槽の中には玉砂利がひかれていますが、地元の方が清掃を行なったり、入れ替えなども行われているようです。
風呂桶なども用意され、風で飛ばないようにワイヤーで繋がれています。
洗い場になるように、川側は、マットが設置され、洗い流したお湯が川に流れるようになっています。
写真を見ていただければ分かりますが、下手な温泉よりも立派です。
養老牛温泉 からまつの湯は歴史も深く、本当に愛されている温泉なのです。
このまま閉鎖?
元々、からまつの湯は管理者がいない野湯ですので、全ての利用者は自己責任の上利用する無料の温泉でした。
現在、根釧東部森林管理署が温泉の立ち入りを禁止しているようです。
今後の再開は一切不明で、閉鎖の可能性が出ているようです。
現在、管理を請け負ってくれる人や団体を探している状態となっています。
地元の愛好家などにも声かけを行っているようですが、管理責任を負える管理者を見つけるのはなかなか難しのではないでしょうか?
からまつの湯は川沿いに浴槽が作られており、過去に何度か自然災害により崩壊しています。
その都度地元の人が、お金を出し合って修復し歴史を作り上げた、北海道を代表する野湯です。
今では多くの旅人が利用する温泉になっています。
からまつの湯の事故の原因
事故の原因は誰かによって、温度を操作するバルブが操作されていた事。
バルブを操作したのは一体誰なのか?
噂になっていたのが、この場所によく来る住み着いている様な人がいたそうです。
いつもいますのでバルブの操作方法も知っており、バルブを調整しても戻さない事で地元の人ともトラブルになっていた様です。
その方が自分が入浴するために調整してそのまま放置したのでは無いかと言われています。
釧路ナンバーの軽自動車と言われていた気がします。
自分も何度かからまつの湯に足を運んでいるのですが、長期滞在してそうな車が一台あったのを覚えています。
過去の写真を探してみたところ、その時の画像がありました。
その日訪れた時は、誰も入浴していないのに関わらず、駐車場の一番遠い所にポツンと1台だけ車があったので、多少疑問には感じていました。
からまつの湯 閉鎖後の現状
現在の養老牛温泉からまつの湯は完全に撤去され、現在は柵で覆われています。
柵で覆われている理由は、現在も高温のお湯が流れ出ているためです。
この源泉はアイヌ時代に発見され、多くの人々の手で守られてきた秘湯でした。
あっさりと更地にされてしまいました。
これが、今の北海道のというか、道東の現状だと思います…
北海道には上富良野の『吹上露天の湯』とか、知床羅臼の『熊の湯』とか、ちゃんと維持されている無料の野湯はたくさんあります。
川沿いにある、心も温まる手作り温泉
養老牛温泉 からまつの湯は北海道中標津町にある川沿いの無料露天風呂です。
地元の方が丁寧に維持管理されている、パウシベツ川のほとりにある手作り温泉です。
泉質は弱食塩泉。
温まる、いいお湯です。
養老牛温泉 からまつの湯の歴史
からまつの湯はかなり大昔から存在していて、1700年前後の時期にはアイヌ民族にも利用されていました。
明治時代初期には『パウシベツ温泉』の名称でその存在が知られていました。
浴槽が造られ、今のからまつの湯の原型ができたのは戦後の時期。
からまつの湯は戦後に営林署員の手によって作られた、歴史のある温泉です。
当時、からまつの木材で、脱衣小屋、浴槽などを作ったのが、からまつの湯の名前の由来です。
数年前に川の増水で崩壊したこともあったようですが、修復されています。
今なお丁寧に守られる、たくさんの人々に愛される心温まる温泉です。
養老牛温泉 からまつの湯から少し離れて、有名な湯宿だいいちなどがある、養老牛の温泉街があります。
養老牛温泉 からまつの湯からバイク乗りのメッカである、開陽台展望台も近いです。
養老牛温泉 からまつの湯 ギャラリー
思い出になってしまった、養老牛温泉 からまつの湯。
手持ちの画像をアップしておきます。
ご自由にお使い下さい。
養老牛温泉 からまつの湯 詳細情報
所在地 | 北海道標津郡中標津町養老牛 |
駐車場 | 無料駐車スペースあり |
入浴料 | 無料 |
脱衣場 | 男女別であり |
浴槽 | 2つ |
泉質 | 弱食塩泉 |
到達難易度 | ★☆☆☆☆ 駐車スペースから歩いてすぐ |
推奨持ち物 | A スタンダードな持ち物 |
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